第4章 無気力彼氏【国見英】
【及川】
「国見ちゃんは?」
起きると国見ちゃんの姿は無く、布団が冷たかった。
あの国見ちゃんが早起きなんて有り得ない。
「及川、あれ…」
「岩ちゃんどうした………!!」
美咲の寝ているはずの仕切りを岩ちゃんが指していた。
見てみれば美咲とは違う男の足が布団から飛び出ていた。
「まさか!!」
俺は恐る恐る足を進めゆっくりと覗いてみる。
「く、国見ちゃん!!」
そこにはスヤスヤ眠る美咲ちゃんの姿と抱き枕のように大事そうに美咲を抱きしめる国見ちゃんの姿があった。
「国見ちゃん起きて!何やってるの!?」
及川さんが寝てる間に何やってるの!?
大人の階段上ったの!?
「おはようございます…もう、朝ですか?」
「美咲ちゃんおはよう。国見ちゃんを起こしてくれる?」
「国見ちゃんの睡眠を妨げようなんて及川先輩ヒドいですね!」
国見ちゃんは起きているようで頭をコクコクと動かしていた。
「ちょっ!ヒドくない二人共!このバカップルヒドいよ!ねぇ、岩ちゃん!」
「ウルセェ!及川!」
「いでっ!」
国見ちゃんカップルが朝からいちゃつく中、俺は朝から岩ちゃんに思いっきり殴られた。