第4章 無気力彼氏【国見英】
「じゃあ、美咲ちゃんはここで寝ること!この仕切りから絶対に出ないこと!」
「えー!及川さん!私は国見ちゃんと寝たいです!」
「いけません!及川さんは認めません~!」
合宿所に来て、私の分の部屋が無いことが発覚し、部員たちと同じ大部屋で寝ることになった。
「じゃあ、隣は国見ちゃんね」
「俺はどこでもいい…」
そう言いながら国見ちゃんは私の布団の場所とは離れた場所に横になってしまった。
「国見ちゃん!そこで寝ちゃダメ!起きて!」
「無理…お休み」
「国見ちゃぁぁん!」
国見ちゃんは頭まで布団をかぶり本当に寝てしまった。
「ドンマイ!可愛そうだから及川さんが隣で寝てあげる」
「それは結構です」
「なんで!?」
私は仕方なく自分の布団に潜った。
仕切りを挟んで国見ちゃんは4つ先の布団で寝ていた。
岩泉先輩、及川先輩、松川先輩、金田一、国見ちゃん。
隣が岩泉先輩だから及川先輩の心配は無くなった。
部屋が暗くなり皆が寝静まっても私は中々眠れなかった。
誰かのいびきや寝言で余計に眠れない。
「国見ちゃん…」
「呼んだ?」
寝ているはずの国見ちゃんの声が近くで聞こえてきた。
「入れて」
そう言いながら国見ちゃんは狭い布団の中に潜り込んで来た。
「国見ちゃん、寝てたんじゃ」
「金田一の寝相が悪いから抜け出してきた」
小声で会話していると抱き枕のように国見ちゃんは腕を回してきた。
「国見ちゃん」
「し…皆起きるよ。一緒に寝たかったんでしょ?」
キツい練習で疲れているのか誰一人起きる様子は無かった。
「お休み」
ちゅっ___
と、国見ちゃんは額にキスをすると眠ってしまった。
「国見ちゃん、………英……大好き」
私は国見ちゃんの頬にキスをし目を瞑った。