第3章 お母さんじゃない【菅原孝支】
「おはようございます」
朝練で体育館に来ると、既に日向と影山が練習していた。
「おはようございます!美咲先輩!」
「うっす……」
「今日も早いね二人とも」
いつから練習しているのか、二人の周りにはいくつものボールが転がっていた。
「おー…今日もやってるねー!二人とも」
ボールを拾っていると孝支もやってきた。
「「潔子さん!おはようございます!」」
田中くんと西谷くんが最後に入ってきた潔子に最敬礼をしていた。
二人にとって潔子は女神様なんだと孝支が言っていた。
朝練は軽く体をほぐしたり、パスやサーブを軽めにやり終わった。
更衣室で潔子と仁花ちゃんと着替えていると
「ぎゃーぁぁ!美咲先輩!大丈夫ですか!?」
突然仁花ちゃんが叫びだした。
「仁花ちゃんどうしたの?」
「美咲、印付いてる」
潔子が指差す場所には赤い印が付いていた。
「あー…これ、孝支が付けたのかな?」
いつ付けたんだろ?
「直ぐに手当てを!」
「谷地さん、これは大丈夫…」
潔子の言葉を聞かず仁花ちゃんは私に絆創膏を貼った。