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【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第5章 告白



そんなトランクスを見て私も自然と笑みを浮かべていた。


「もしかして…これを取ろうとしてたのかい?」

トランクスは言った。

「…はい。でも失敗しちゃって、えへへ。」

私は恥ずかしくなり苦笑いをした。
そんな私を見てトランクスは、

「…ありがとう。俺のためだったんだね。」

と私の頭を軽く撫でた。
その瞬間、また私の”恋の病”が発作を起こした。

「はわわっ!…いえ、あの…あの…。」

言葉にならない。
だがそんな私の事をトランクスはクスクスと笑っていた。

「帰りは送るよ。また危ない目にあったら心配だからね。」

「あ…ありがとうございます。」

顔の火照りが冷めやらぬまま、私達は洞窟を後にした。






外へ出た私達は空を見上げた。

「今日は月明かりが綺麗だね。」

夜風に髪を微かに揺らせながらトランクスは言う。
月の光に照らされたトランクスの横顔に私はほんの少し見惚れていた。

「さあ、帰ろうか。所で入り口にあった荷物は輝夜ちゃんのかな?」

「あ、はい!」

そういい荷物を私に差し出した。

「ところで、なんでほうきなんて持ってきたんだい?」

トランクスのその問いかけに私はギクリとしてしまった。

「あ…えっと…それは…。」

言ってしまおうか。
私が魔法使いだという事も。
なぜこの森に住んでいるかも。
私の…故郷の事も。
トランクスを…信用していいのだろうか。
いや、信用しよう。
トランクスだって私に包み隠さず全て話してくれるのだ。
大丈夫だ…。


「トランクスさん…私…実は!」



”バサバサバサバサッ”

「グワー!」

大きな翼の音、それに聞き慣れた獣の鳴き声。

「なっ!?」

トランクスが驚きのあまり硬直している。

「フ、フウ!?」

まさしく、それはフウだった。
私の帰りが余りに遅い為か森を探し回っていたようだ。
私達のいる場所に降り立ったフウは、

「ガウゥ。」

と静かに鳴き私に擦り寄った。

「か…輝夜ちゃん!?」

大きな獣が私に懐いてる事に更に驚き、私の名前を呼ぶ。

「だ、大丈夫です。危害は加えないです。」

恐らくその事ではないと分かっているが急な展開に何から話していいか分からない。
先程意を決して全てを話そうとしていたが矢先の事だったため私もつい戸惑ってしまった。
だが、ここまで来たら隠す訳にはいかない。
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