第1章 ・・・・・・どういうこと?
お会計を済ましてお店を出る。
帰りに小さなクッキーをもらった。
親切なお店だなぁと思いながら
ブラブラと宛もなく歩く。
そうだ、さっき見つけた
雑貨屋さんに行ってみよう。
中を覗いた時、可愛いものが
沢山置いてあったから。
チリン。
扉を開けると、鈴が鳴る。
可愛らしい音に笑みが浮かんだ。
「わぁ・・・沢山あるなぁ・・・」
ピアス、それからブレスレット
ネックレスと他にも色々と置いてある。
値段を見てみたけれど
お手頃な物からかなり
高めのものまで豊富にある。
色々と眺めてたりいると
ピタッと視線が止まる。
引き寄せられるかのように
手に取ったのは
沢山の色が合わさった
淡いレインボー色。
花冠になっていてその真ん中に
鈴がついてる。
「あ・・・可愛いかも」
キーホルダー式になっている。
これから使う鞄につけようかな。
「買っていこう」
両手で持ってレジに向かう。
お値段はキーホルダーにしては
少し、お高めだ。
けど・・・買いたかったから満足。
時計を見れば、夕方の4時。
もうそろそろ帰って
夕飯の支度でもしようかな。
まだ、この街に慣れた
訳じゃないけれど・・・
少しずつ知っていけばいいよね。
帰宅して、手を洗って
エプロンを身に付ける。
「さて、作りますか〜」
手際よく、野菜を切っていく。
今までは母と一緒に料理を
していたから、こうして
一人で作るのは何だか
違和感がある。
一人でできない訳じゃ
ないけれど、誰かと一緒に
料理をする方が楽しいから
毎日母と一緒だった。
部屋も、リビングには
いつも誰かがいたのに
今は一人。少しだけ
寂しく感じてしまうのは
仕方ないだろう。
私は小さくため息を漏らす。