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【テニプリ】闇菊【R18】

第83章 【ガクエンサイ】




「やぁ、裕太、来てくれて嬉しいよ」

「____兄貴っ!なんだよ、その格好!」


奥からすごく嬉しそうな笑顔で現れた不二くんは、とても優しい声で不二裕太くんに話しかける。
やっぱり弟さんなんだ!、そう思って、弟さんの顔を見ると、弟さんは不二くんの王子様ファッションにとても驚いていて、それから、私と目が合うと、慌ててペコリと頭を下げた。


「この格好、気に入ってくれた?、大丈夫、裕太の分もちゃんと用意してあるよ?」

「だ、誰が着るかっ!」

「クスクス、そんなに照れなくてもいいのに……」

「照れてねぇ!!」


ああ、不二くん、弟さんのこと、凄く可愛いんだろうなぁ……
不二くんの全身から醸し出す雰囲気は、弟さんへの愛が滲み出ていて……
でも、弟さんは、その愛情が重いのか、ちょっと迷惑そうにしていて……


温度差はだいぶあるけれど、でも凄く仲よさそう……
ぱっと見はそうでもないんだけれど、根っこのところの絆は凄く強そうで……


「あ、裕太、間違ってるよ、これは他校生用、家族用はこっち」

「んなの、どっちでもいいだろ!」

「よくないよ、裕太は僕の可愛い弟だからね」

「だからそう言うの、やめろって言ってんだろ!」

「んふっ、そうですよ、不二くん、そんなことはどうでもよいのです」


仲良く戯れ合う不二兄弟の中に割って入ったのは、天然パーマをくるりくるりと指に巻きつけながら、怪しげ……もとい、神秘的?な笑みを浮かべる男の子……
紫色に薔薇が散りばめられている個性的な服が特徴的……


「あなたのその格好、なかなか素敵ですね、さすが、青学、不二周助です。でも裕太くんにはどうでしょう……?、彼が着ないのでしたら、私が変わりに着て差し上げても構いま……」


その個性的な人が決めポーズで熱弁する中、肝心の不二くんはそんは話、全く聞いていないようで……
小宮山さん、紹介するよ、弟の裕太、そう私に弟さんを紹介してくれるから、いいのかな?、なんて思いながらも、いつも不二くんにはお世話になっています、そう弟さ……裕太くんに頭を下げた。

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