第14章 【キュウジツ】
もー、信じらんない、信じらんない、信じらんない!!
恥ずかしさから思わず店長さんに捨て台詞を吐いて、それからペットショップを飛び出してしまった。
ふと我に返って顔を上げると、まさにネコ丸を拾った公園に来ていて、その時の東屋に座りハーッと大きくため息をつく。
ネコ丸を拾ってからあのペットショップに通うようになった。
そのうち店長さんと仲良くなって、普通にネコ丸のことを話しているうちに、気を許して余計なことまで話してしまった。
英二くんと店長さんが知り合いだなんて思いもしなかったし。
まさか本人にバラされてしまうなんて……穴があったら入りたいとはまさにこの事、そう思って頭を抱える。
イタイ子だなって思われたかな……?
引かれたり、ウザがられてたりはしてないと思うけど……
だいたい、月曜日にどんな顔して英二くんに会えばいいというの……?
そんな不安な気持ちと恥ずかしさとで、自分でもなにがなにやら分からなくて……
「もー、やだぁ……!」
そう叫んで顔を覆うと、ブンブンと首を横に振る。
「もー、やだぁ、はオレの台詞だっつーの!」
え……?って思って顔を上げると、そこには重そうな袋を両手に持って、息を切らして私を見ている英二くんが立っていた。
予想外の展開に頭がうまく働かず、一瞬ポカーンとしてしまう。
それから我に返り、恥ずかしさから一気に顔が熱くなり、再度慌てて走り出す。
走り出そうとしたところで、ちょい待ち!と彼に呼び止められて、ビクッと身体を震わし立ち止まる。
「オレにコレもってまた探させるつもり~?」
そう言って私を見る彼の視線に縛られて、身体が動かなくなる。
仕方がないか、そう思いながらため息をつくと、覚悟を決めてベンチに座り直した。