第79章 【ワナ】
ソファ席に押さえつけられ寝かされた私の身体を、英二くん以外の男の人の手と舌が撫で回す。
嫌なのに、気持ち悪いのに、それに反して激しい快感が襲ってくる。
「……離し、てっ……イヤッ……ンンッ!」
誰か、助けて……美沙……お願い、すぐ近くにいるの……
同じ建物内にいるの……
必死に声にならない声で美沙に助けを求める。
だけど、まさか普通のカラオケ店の裏側がこんな場所になっていて、私がこんな状況になってるなんて、思いもしないだろうし、気づいてもらうことなんて絶望的で……
それに第一、大好きな美沙をこんなことに巻き込むわけにいかなくて……
「たまんねー、英二のやろう、こんなエロい身体、独り占めしてんのかよ?、ずりーよなー!」
英二くん……今は、まだバイト中……?
それとも、もう終わってデートかな……?
どっちにしても鳴海さんと一緒だよね……
私……このままじゃ、英二くん以外の人にヤラレちゃうよ……
自分の意思とは関係なく、身体が喜んじゃうんだよ……
「ホラ、そろそろ欲しくてたまんねーだろ?、遠慮せずにシャブっていいんだぜ?」
目の前の男がカチャカチャと乱暴にベルトを外して、すっかり期待している自身を取り出した。
初めて見る英二くん以外のソレに、慌てて顔を背けてキツく瞳を閉じる。
「ったく、強情だよな、もう下のオクチはこんなによだれ垂らしてんのによぉ!」
指でナカを勢いよく掻き回されて、その刺激に腰が浮いてしまい、情けなくてまた涙が溢れてくる。
嫌い……こんな身体……大嫌い……
でも絶対、プライドだけは捨てないから……
理性だけは手放さないから……
例え何をされたって、このまま、全てを奪われたって、心だけは英二くんのものだから……
絶対、声なんか出したりしない、欲しがったりしない、乱れたりなんかしない……!
私はこの人たちの思い通りになんか、ならない!!
キツく下唇を噛んで閉ざした口元に男性器を押し付けるその男を、キッと睨みつけた。