• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第79章 【ワナ】




「璃音!、速く速くっ!」

「は、はいっ!すみません、遅くなって……」


駅のトイレで私服に着替えると、生徒会の仕事が終わるのを待ってくれていた美沙の元に急いで駆け寄る。
金曜日、18時____
今日は約束してたクラスでカラオケの日。


「璃音、今日の服、大人っぽーい!しっかりメイクするとさらに美人!気合い入ってる?」

「もう、からかわないでください!私はただ、少しでも大人っぽく見えるようにと思ったら、このくらいの方がいいかと……」


はは、分かってるよ、そうケラケラと笑う美沙に頬を膨らませながら、コインロッカーに制服や通学バッグを預けると、それから駅のホームへと移動する。


「そういう美沙は珍しくないですか?シャツワンピ……」

「だって、ほら、ストンとしてたほうかいいでしょ?お腹に負担なくて」

「……戦闘態勢バッチリですね……食べ放題ではないですよ?」

「ダイジョーブ!小遣い全部持ってきた!」


お小遣い、食べものに全部注ぎ込んじゃうんですか?、なんて驚き気味に笑いながら向かう目的地は、ここから一時間近く掛かる駅前通り。
この時間は帰宅ラッシュと合わさって、電車内はかなり混雑している。


行き先は上り方面だから、下り方面と比べたらそれほどでも無いんだけれど、それでも人混み嫌いの私はもうグッタリで……
美沙と話をしながらだったから、なんとか耐えられて良かったけれど……
ラッシュ時に乗ると確実にあう痴漢にも狙われなかったし……


そうそう、途中でちょうど英二くんのバイト先の最寄駅があって……
あ、ここ、英二くんの……、そう声に出したわけじゃないのに、美沙にはすぐに分かっちゃって……


「今日はくだらないこと考えないの!、そのために来たんでしょ!」


そう言って相変わらず怒り口調で私を励ましてくれる美沙に感謝しながら、そうだよね、そう気持ちを切り替えた。







「美沙ー!璃音!こっちこっち!」


お店に着くとそこは聞いたことのない名前のカラオケ店で、まぁ、チェーン店じゃないから、あんな8割引なんて好き勝手出来るんだろうけど……

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp