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【テニプリ】闇菊【R18】

第77章 【セメテユメノナカデハ】




「璃音は行ける〜?、タコ焼きの買い出し!」

「あ、ごめんなさい、私は生徒会の仕事があるので……」


今日の放課後はクラス模擬店のネコ耳たこ焼きの材料の不足分を、特に用事がない人たちで買いに行くことになっていて、いつものように美沙が私にも声をかけてくれる。
それは凄くありがたいんだけど、やっぱり生徒会というものは何だかんだと忙しく、結局、断ることになり申し訳なく思う。


ううん、うっかりみんなの前でたこ焼きを作る羽目になったら、私の究極の不器用&料理音痴がバレるから、逆にこの場合は助かったのかな……?


「やっぱそっかー、あんたも大変ねー、無理しないんだよ?」

「はい、大丈夫です、買い出しの方、よろしくお願いしますね」


部活動で模擬店をする人たちはそれぞれ各部活へと移動して、買い出しに行く人たちもいなくなると、途端にガランとする教室……


私も行かなきゃ……、そう思って立ち上がったところでふと気がついたのは、隣の席に英二くんの通学カバンがまだあるということ……


あ、そっか、今日はミスコンの打ち合わせだったもんね……


生徒会も今は学園祭の準備がメインの仕事で、当然、学園祭実行委員と同じように準備の日程や当日の流れも頭に入っていて……
ミスコンか……、英二くん、すっかり鳴海さんの彼氏が板に付いちゃったな……


英二くんは鳴海さんといつも一緒にいるから、2人の姿を見ない日はなくて……
一緒にいればいつも寄り添っているから、その度に私の胸は張り裂けそうで……


って、ダメダメ、考えない!
考えたら涙が出てきちゃう……泣いてる暇なんかないもの!


慌ててブンブンと首を横に振り、スーッと深呼吸する。
それから、そう言えば、今がチャンスじゃない……?、そう自分のカバンから紙袋を取り出した。


それは我が家に置きっぱなしになっていた英二くんのシャツと避妊具。
昨日、それに気がついて、慌てて返さなきゃって用意した。

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