• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第74章 【ウチコメルモノ】




不二くんに誘われて初めてテニス……とまでは言えないけれど、ラケットでボールを打って、凄く楽しくて、夢中になって……
日頃の運動不足がたたってすぐに疲れちゃったんだけど、それでも本当にスッキリして……


不二くんにボールを出してもらっているうちに、他の人たちも、それぞれコートに入って打ち合いを始めていて、気がついたら本格的な部活になっちゃってて、そのうち駆けつけた先生に怒られちゃって……


「お前ら、申請もせずに勝手に延長……ってなんで女子がいるんだ!部外者はダメだろ!……ん?、お前、2年の小宮山か!?」

「は、はい、申し訳ありません、すぐに出ますので……本当にすみません!」

「い、いや、お前のことだからよほどの理由があったんだろう……先生こそ大声をあげてすまなかったな……」


先生に怒られるなんて滅多にない……というか、ハッキングの冤罪事件を除けば初めての経験をして、もうただペコペコと平謝りで、そんな私に先生も何故か謝り出して……


「さすが小宮山先輩っすねー、お咎めなしっすよ!これが俺なら……」

「桃城〜!さてはお前だな!?部外者を部活に参加させたのは!!」

「いぃ!?違うっすよ、不二先輩が連れてきたんすよ!」

「不二がそんなことするはずないだろう!いい加減なこと言うな!」


気がつくと何故か先生の怒りの矛先は桃城くんに向かっていて、あの、その、違うんです、そう必死に訂正しようとしても、もう先生の耳には届いてなくて……
逃げ回る桃城くんとそれを追いかける先生を眺めながら、オロオロするしかなくて……


「あー、俺も一応、部外者なんだけどなぁ……」


ポツリと呟いた河村くんの言葉にハッとして、そう言えばそうだよね……なんて思ったらおかしくて……
クスクス笑いだした私にみんなが驚いて、それから頬を緩ませる。


先生が職員室に戻ってからもみんなで笑いながらコート整備と後片付けを済ませて、そのあと、青春台の駅まで並んで歩いた。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp