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【テニプリ】闇菊【R18】

第74章 【ウチコメルモノ】




「不二先輩、本気っすね?」

「ああ、言ったろ?、すぐに終わらせるって……小宮山さんを待たせているからね」


不二くんの打ったサーブはなんでもないものに見えた。
でもそれは私がテニスをよくわからないからで、本当はきっとすごいサーブなんだと思う。
なんてことないように見えるそのサーブを、桃城くんは打ち返すことができなくて、何度も空振りしてしまったのだから……


「不二先輩、容赦ないっすね……」

「あぁ、いきなり消えるサーブとはな」


突然聞こえた声に驚いて振り返る。
そこには、いつの間に入って来たのか、海堂くん、乾くん、河村くんと、英二くんの大切な仲間たちが2人の試合の行方を見守っていた。
皆さん……やっぱり桃城くんが心配で来たんだろうな……


「消える……サーブ……?」

「あぁ、ボールに激しい横回転を掛けて打った不二のサーブは相手の手元で激しく変化する。リターンする桃城にとっては一瞬でボールが視界から消えたように感じる、という訳だ」


そうなんだ……ボールの回転を利用して……
やっぱり、すごい……


だって相手はテニスの初心者じゃない……
全国制覇をしたときの貢献者、桃城くんだもん、いくら不二くんが今年の夏に全国優勝してるからって、そうそう簡単に勝てる相手じゃないはず。
ましてやいつも身近でその練習を目の当たりにしていて、直接体感もしている、全てを知り尽くしているもの同士……


それでも……こんなに、圧倒的なの……?


不二くんは桃城くんよりずっと華奢で打球の勢いもないのに、その華麗な技の数々は相手に全く自分のテニスをさせないという感じで……


すごい……本当にすごい……
英二くんのデータDVDで、一緒にダブルスを組んでいた試合があったけど、そのときの比じゃない……
直接自分の目で見ると、こんなに不二くんってすごいんだ……


これが、努力で勝ち取った栄光……






天才、不二周助____







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