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【テニプリ】闇菊【R18】

第73章 【モクゲキ】




美沙もお母さんも居てくれる……不二くんも朝迎えに来てくれた……
大丈夫……みんながいてくれるから、私、乗り越えられる……


乗り越えなくちゃ……


目にとまる青い空。
秋の薄い雲が風に吹かれて散っていく……
最後にまた少しだけ涙が滲むと、ほら、次!、そう美沙がまた次の一口を用意した。











「はい、これで最後!ごちそうさまでした」


結局、美沙のペースでお弁当を全部食べさせられて、慌ただしくでもお腹は満たされて……
お腹が満たされると自然と心も軽くなって、ほら、だから食は大切なの!、なんて美沙は得意げに笑った。


「さ、すっかり遅くなっちゃいましたけど、急いで教室に戻らなくちゃ……」

「はぁ?、あんた、これから授業に出るつもり?」


5時間目はもう残り少ない時間なのに、これから授業に出ると言う私に、美沙は呆れた顔をする。
だって私のせいで美沙までサボらせるわけにいかないし、やっぱり英二くんが気にしちゃうもの……
そんな思いを口にすると、英二?、そう今度は嫌悪感をあらわにした。


「なんでよ!英二なんて気にするの当たり前でしょ!?気にしなかったら殴るよ!」

「そんな……ダメですよ、英二くん、悪くないですから……」

「いや、どう考えたって悪いでしょ、あいつ何したか分かってんの!?」

「それは……でも謝ってくれましたから……」


ずっと自分が辛いばっかりだったから気が回らなかったけど、お腹が満たされて少しだけ心に余裕ができて……
そうすると、私にゴメンと謝った時の、英二くんのすごく辛そうな顔が頭を離れなくて……


きっと私を振るのに、いっぱい悩んでくれたんだと思うんだよね……
そりゃ、少しは気にして欲しいけど、いつまでも苦しんで欲しくない……


もう私のことは気にしないでって言いたいけれど、さすがに直接言うのはキツイな……
不二くんに伝えてもらおうかな……


「美沙も、英二くんにひどい態度取らないでくださいね……?」


そんな私の申し出に、どんだけ英二至上主義なのよ、そう言って美沙は大きなため息をついた。

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