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【テニプリ】闇菊【R18】

第68章 【ムナサワギ】




「話って……?」

「先輩って本当に不二先輩と仲良いですよね、毎日一緒に帰ってるし」


何が言いたいんだろう……?
急に現れて、そんな鳴海さんと全く関係のない話……
それが何か……?、あ、久しぶりにこの台詞、言った気がする……


「だから、顔、怖いですよ……?」


唇に軽く握った拳を当ててクスクス笑う鳴海さん……


悪かったわね……
どうせ、私の顔、あなたみたいに、柔らかくない……














「……どうしたの?小宮山さん、怖い顔して」


ハッとして顔を上げる。
目に飛び込んできたのは怪訝そうな、そして心配そうに私を見る不二くんのキレイな顔。
怖い顔なんてしてませんよ?、慌てて首を横に振って笑顔を作る。


怖い顔、怖い顔って、鳴海さんといい不二くんといい、私ってそんなに怖い顔なのかな……?
度重なる「怖い顔」発言に、なんでもないふりをしつつ、内心、大きなため息をついてしまう。


「……何かあった?生徒会の間もちょっと様子がおかしかったし……」

「本当になんでもないんです、最近、色々あったからちょっと疲れてるのかもしれません」


もうすっかり日も落ちて真っ暗な住宅街の中を不二くんと並んで歩く。
生徒会執行部の日は英二くんの言いつけもあって、こうして不二くんが家まで送ってくれるから、素直に甘えさせてもらってる。


「先輩って本当に不二先輩と仲良いですよね、毎日一緒に帰ってるし」


鳴海さんに呼び止められて掛けられたそのセリフ……
確かに今は毎日送ってもらってるから、まったくその通りなんだけど……


「用がないならこれで……、生徒会の仕事がありますので」


私の顔が怖いとクスクス笑う鳴海さんにムッとして、さっさと背を向けてその場を立ち去ろうとした瞬間、ごめんなさい、怒らせるつもりじゃなかったんです、なんて彼女はその可愛らしい顔を困らせて、さらに可愛らしさをパワーアップさせた。

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