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【テニプリ】闇菊【R18】

第68章 【ムナサワギ】




「ネコ耳たこ焼きって、ネコ耳だけ用意すればいいの?尻尾も?」

「せっかくだからクラスTシャツとか作ろうよー!」

「いいねー!あと、タコ焼き屋だしお祭りの法被は!?」

「法被にネコ耳ー?……案外いいかも?」


LHRでクラス模擬店を「ネコ耳たこ焼き」に決定してから、クラスの実行委員を中心に学園祭に向けて具体的に動き出した。
頭使うところの担当してよ!、なんて美沙に言われて、私も半ば強制的にその中心メンバーに入ることになった。
もちろん言い出しっぺの英二くんもメンバー入りしてるんだけど、バイトで忙しいからほぼ不在。
私も生徒会が忙しいから、本当に限られたことしかできないんだけど……


「璃音、衣装ってどのくらいお金使えそう?」

「……そうですね、生徒会から各クラスに配分されている予算と材料の原価や機材レンタル等考えると、あまり多くはないかと……」


過去にたこ焼き屋の模擬店をしたクラスの決算報告書を参考にしながら、仮の見積もり書を作っていく。
せっかくのクラス模擬店なんだから、出来るだけみんなの要望に応えたい。
でも予算は限られているから限度がある。


クラスメイトから有志でお金を集めることはできるけど、出来ればそれはしたくない。
例え団結力はあっても、こういうことは微妙な温度差があるものだ。
お金に関することなら尚更それは切実。


青学はエスカレーター式の私立高校だから、同じ東京都内の氷帝学園と比べると目立たないけれど、比較的お金に余裕がある家庭の生徒が多い。
とは言え金銭感覚を見失いたくはない。


「購入は……厳しいか、法被ならレンタルあるよね?ネコ耳は……うーん……」

「だったら作らない?、今ネットで調べたけど、このくらいなら作るのも簡単だし、大して材料費かからなそうだよ!」

「お、さすが手芸部!」


突然降って湧いたネコ耳手作り案……
学園祭の醍醐味だから覚悟はしていたけれど、やっぱり内心焦ってしまう。
璃音、どうしたの?、そう固まる私にみんなが不思議そうな顔をする。
い、いいえ、なんでもないんです、慌てて笑顔を作りながら心の中でため息をついた。

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