第67章 【ユウアイ】
今日、起こった1つ1つの出来事をゆっくりと思い出す。
英二くんにお礼を言って、乾くんや不二くんに助けられたこととか、桃城くんと話をしたこととか……
それから、美沙ともっと仲良くなれたこと……
美沙が泊りに来てるって聞いたら、英二くん、きっとすごく喜んでくれるよね……?
ドキドキして、ソワソワして……
そっと携帯に手を伸ばすと、♪〜、っとナイスタイミングでLINEの通知音が響いた。
慌ててディスプレイを確認すると、そこには英二くんではなくて美沙の名前。
なんで?って思って美沙を見ると、こっそり携帯を手にニヤリと笑っている。
「璃音、今、英二だと思ったでしょ!?」
「……美沙〜!!」
「あはは、冗談よ、冗談!」
もう夜も遅いというのに、あまりにも可笑しかったものだから、2人でしばらくお腹を抱えて笑い続けた。
そんな私たちの笑い声を聴きながら、お母さんが寝室でこっそり涙をぬぐっていた。