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【テニプリ】闇菊【R18】

第67章 【ユウアイ】




ふわり、辺りに美沙の香りが漂い、それから身体を包み込まれた。
目を見開いて、美沙……?、そう問いかける。


「やっと……ちゃんと話してくれたね」


いつもより穏やかな美沙の笑顔、落ち着いた声。
やっとって……?、そう戸惑う私に、気付いてたよ、ちょっと前から、気付いていて璃音のこと試した、ゴメンね、なんて言って美沙は私の身体を抱きしめる手に力を込めた。


「試した……?」

「どうしても璃音の口から言って欲しかったの、だって友達なのに寂しいじゃない……?」


美沙がいつから私と英二くんのことに気がついていたんだろう……とか、そんな素振りちっとも見せてなかったのに……とか、頭の中は不思議なくらい色々と冷静に考えていて……
でも、もうそんなこと、どうでもいいくらい美沙の言葉と腕の中が心地良くて……


美沙の細い身体に腕を回して抱きしめ返すと、その心地良さに酔いしれる。


「美沙、私、臆病でどうしても言えなくて、ゴメンなさい……大好き……」


良かった、嫌われなくて……ちゃんと自分の言葉で伝えられて……本当に良かった……
安心と喜びから涙が溢れると、うん、私も璃音、大好きだよ、そう言って美沙の手が私の後頭部をヨシヨシと撫でてくれる。
そんな風に優しくして貰えると、ますます涙は止まらなくて……


「あー、うちら、女同士で何やってんのよ……」


そうあきれ気味に笑いながらも、美沙は私の涙が落ち着くまで、ずっとその腕の中で髪を撫で続けてくれた。











「もう涙、落ち着いた?」

「はい、なんかすみません、私、涙腺弱くて……」

「いいって、不二くんとの写真もこんな感じのとこ、撮られたってわけね……?」


そうなんです、そう不二くんとの噂の写真を思い出しながら頷くと、確かに今のシーンみられたら、私と璃音の百合疑惑浮上するわ……、なんて美沙が苦笑いした。

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