第11章 【サゲスミ】
「英二ぃ、アタシ、今日、安全日だからナマでシよ?ナカで出していいよ?」
「……やーだよ、女の言う安全日なんて信用できないもん」
そう甘ったるい声でとんでもないことを言いだした女を見下ろし失笑すると、本当なのにー、そう女が頬を膨らます。
ほんと、こいつ、どんだけバカなの?
コレが本物のビッチだな、小宮山ビッチ計画は、試行する前から計画倒れもいいとこだっての。
あいつにこれは絶対ムリ、って、考えたら、んなことあったり前か。
あの小宮山がビッチなんて最初っからムリなんだって。
学年首席が実はビッチって設定はすげー面白いけどさ、本人がアレじゃーなー……
気がついたらまた小宮山の事を考えていて、あーもう、なんなんだよ!って内心イラッとする。
「しかも万が一ガキが出来ても、その父親が誰かも分かんないような女の言うことなんて尚更だっての!」
そうイライラをぶつけるように言うオレに、あははー、確かに!と笑って答えるから、笑い事じゃないじゃん?って失笑してゴムを付ける。
「英二って必ずゴム付けるよねー、ナマの方がキモチイイのにぃ!」
ほーんと、くだんないこと言う女。
そりゃゴム代けっこーかかるけどさ、マジで子ども出来たら困んじゃん?
出来るだけリスクは減らしておかないとねん。
別に女のことを思ってって訳じゃなくてさ、オレは子どもなんていんないの、……一生さ。
つーか、こんなクソビッチに安全日って言われて、ホイホイ喜んでナカ出しする男ってのも、どうしよーもないバカだよな。
ま、だけど……心の底ではこんなに女をバカにしてんのに、手当たり次第に求めては、次から次と抱き続けるオレが一番大バカか……