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【テニプリ】闇菊【R18】

第64章 【ネガイゴト】




「璃音ー、今日、お弁当どうするー?」


午前の授業が終わり開放感に包まれた教室で、窓際の席から美沙が声をかけてくれた。


「なんもないなら、一緒に食べよー?」


クラスメイト達がそれぞれ声を掛け合ってお弁当を広げたり、学食へと連れ立って向かう騒然とした教室内でも、美沙の元気な声は凄く良く通るから、自然とみんなの視線がこちらに集まり恥ずかしくなってしまう。


あ……今日は生徒会の用事もないし、ひとりで食べるつもりだったけど……


いつもの体育館裏でひとりでお昼を食べていると、小宮山ー♪と時々英二くんが会いに来てくれる。
チラッと隣の英二くんに視線を向けると、既に周りの男子たちとお弁当を広げ始めていて、私のその伺う視線に箸をチョイチョイと動かし合図を送ってくれた。


えっと、いいってことだよね……?


別に約束しているわけじゃないから、許可はいらないかもしれないけど……
英二くんもオレに気を遣う必要ないよん?って言ってくれるんだけど……


それでも、何となく許可を取ってしまうのは、セフレだったときの名残かな……?


あ、はい、よろしくお願いします、そう少し恥ずかしく思いながら美沙に返事をすると、んじゃここおいでよー、そう彼女の隣の席のイスを寄せて手招きしてくれた。


「ねぇ、美沙ー、私たちも一緒にいいー?」

「うん、もちろん」


近くの席でお弁当を広げかけていた女子2人がそれに加わり、机くっつけようかー、なんてガタガタ移動したりして、1人で過ごすはずのお昼休みは、あっという間に賑やかなランチタイムに早変わり。


「小宮山さん、よろしくねー」

「ほら、璃音、ボーッとしてないで座って!」


そんな声に、あ、は、はい、そう慌てて返事をして席に座る。
あ、小宮山さんのお弁当、可愛くて美味しそう!、相変、わらず美沙のお弁当はデカいねー、そんな何気ない会話に女の子特有の笑い声が沸き起こる。

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