第11章 【サゲスミ】
オレ自身に夢中でしゃぶりつく女を眺めながら、しっかし小宮山とはすげー違いだな、そう学校での行為を思い出し、ははっと笑う。
相変わらずヘッタクソだけど、恥じらいながら精一杯頑張る様子を思い出す。
頬を赤らめ上目遣いで見上げる顔や、苦しそうに頬張る様子にそそられて、なーんかイジメたくなってムリさせた。
出した後、いつものようにすぐに帰っても良かったんだけど、屋上での小林達の会話を思い出し、そういやキスマーク、どんな風に見えてんだろ?なんて思ってその場に残った。
小林の目線で小宮山の髪を触っていたら、そういやコイツ、なんでキレイなの隠してたんだろって思って、そのことで目立ちたくないなんてよくわかんねーの。
ま、オレと同じように本性隠してるっぽいし、なんかあんのかもねー、なんて思ったりした。
それから、ちょーっと優しくしてやったら耳まで真っ赤にして俯いてさ、こいつどんだけオレのこと好きなんだよ、本当バッカじゃないの?なんて思った。
オレに無理矢理ヤられて、動画撮られてるって言うのにさ、普通幻滅するところじゃん?
なのに全然オレを嫌いになんないの。
それどころがますます好きになってるっぽくてさ。
ちょっと怖い顔すればバカみたいに言うこと聞いて、不二に自分からキスして泣いてんの。
唇、真っ赤になるまでこすって泣いててさ、自分でやっといてほんとバカじゃん?
あいつ、このままじゃほんとに不二とヤっちゃうかもね?
不二だってよけようと思えば簡単によけれんのに、そうしなかったあたり満更でもなさそうだし。
あーあ、そうなったら小宮山また泣いちゃうね。
ほーんと、人を好きになるって哀れだねー。
こーんな最低男のどこがいいってんだろ?
小宮山、めちゃくちゃ頭良い癖に、なんでんなこともわかんないのかな?
やっぱ人なんて好きになるもんじゃないな、そう思って首をすくめた。