第61章 【セイチョウ】
ああ、やっぱ、小宮山はそうやって、全部自分の中で我慢して……
オレなんかと違って、物分かり、良すぎなんだって……
「あー、もう、見つかんないように、さっさと追い払おうと思って連絡先交換したのにさ……」
結局、無駄だったじゃん……、そう頭を抱えてため息を付くオレに、だって私が英二くんに気がつかないはずないじゃないですか、そう小宮山は得意気に笑う。
「私の特技ですから……どこにいても英二くんを真っ先に見つけられるの」
今日だって不二くんより先に英二くんを見つけてましたよ?、そう少し赤い顔をして笑ってくれる小宮山のその言葉がすげー嬉しくて……
あの女とのことで罰が悪いんだけど、我慢させたことも悪いなって思うんだけど、でもやっぱり嬉しくて……
ギューっとその柔らかい身体をきつく抱きしめると、小宮山は少し苦しそうな顔をして、それから嬉しそうにオレの背中に腕を回す。
「小宮山っ、大好きっ!」
「キャッ、え、英二くん……?」
ヒョイッと抱き上げるともう一度ベッドまで移動して、その身体をマットへと沈める。
あ、あの、時間、ないんじゃ……?、そう赤い顔で慌てる小宮山に、うん、ないよん、なんて言いながらも、もう気持ちは止まんなくて……
だってそんな嬉しいこと言われたらさ、オレ、我慢なんか出来ないって、そうニイッと笑ってそのまま唇を重ねる。
「さっきは自分本位なエッチだったからさ、今度はオレ、小宮山のために頑張っちゃうよん?」
そうウインクするオレに、もう、延長料金とられたって知りませんよ……?、そう口調こそ呆れながら言った小宮山だけど、でもその表情はやっぱりどこか嬉しそうで……
せっかく着替えを済ませたその服を脱がしながら、さっき無理矢理、付けまくったオレのしるしの上に、今度は優しく舌を這わせていく。