第60章 【クラヤミノナカデ】
英二に小宮山さんとの電話をきられて、程なくしてなった英二からのLINE。
『オレのこと好き?』その異様な文面にただ事ではない空気を感じた。
胸騒ぎがして慌てて電話をしたけれど、英二は出てくれなくて、LINEも既読の後、全然反応がなくて……
だったら小宮山さんに、そう思ってかけたけど、彼女もなかなか出てくれなくて、やっと繋がったと思ったら、小宮山さんは放心状態で……
その小宮山さんの様子にズキンと胸が痛んだ。
だけど小宮山さんの話を聞いて、英二が苦しんでいる、そう確信した僕は、小宮山さんを励ましながら、英二の元に向かってくれるよう説得した。
「大丈夫、小宮山さんなら……絶対、英二を見つけられるよ」
その言葉に迷いはなかった。
ずっと苦しんでいる英二を見ているのが辛かったから……
仲間なのに、親友なのに、何もしてあげれない自分が悔しかったから……
だから……
小宮山さん……
お願いだから……
英二を……
救って……?
「あら、周助、出掛けるの……?」
「うん、姉さん、ちょっとプラネタリウムにね」
プラネタリウムって、もしかしてデート?、玄関で靴を履く僕にそう姉さんが含み笑いをする。
女の子と一緒だけどデートじゃないよ、残念だけどね、そう少し困りながら笑顔を向ける。
「まだ片思い?良かったら相性占ってあげましょうか?」
「いや、辞めておくよ、姉さんの占いは当たるから……」
その子、英二の彼女なんだ、そう姉さんに笑顔をむけて玄関を後にする。
大きく開かれた姉さんの目が印象的だった。