第59章 【ドクセンヨク】
せっかくの小宮山の夢が、ねーちゃんのせいで最悪な目覚めになっちゃったじゃん……
はぁ~っと大きくため息を付くと、パジャマを着替えながら小宮山を思い出す。
もうちょっとでキス出来るところだったのに……なんて思って、でもあのまましてたらねーちゃんとしてたのか、そう思ってブルッと身震いをする。
いや、血の繋がりはないんだし、そんなこと思っちゃ失礼だけどさ……
でもやっぱ、姉弟として育ったねーちゃん達はいつまで経ってもねーちゃん達で……
パジャマを洗濯機に放り込んで、ダイニングで昼食兼用の朝食を食べてると、小宮山さんといつからつき合ってんの……?、そうねーちゃんがボソッと聞いてくる。
この前からだよん?、そう何も考えず答えると、その割にあんた女慣れしてない?、なんて怪訝そうな顔で突っ込まれたから、何もいえずにただ首をすくめた。
部屋に戻るともう一度ベッドに仰向けになり、さっきの夢を思い出す。
夢の中の小宮山は相変わらず柔らかい笑顔でオレに笑いかけてくれるから、嬉しくて幸せで……
でもそれは夢だから、目が覚めた瞬間、小宮山の笑顔はパッと消えて、残ったのはここに小宮山がいない事への寂しさ……
本当にずっと傍にいられたらいいのに……
ただの高校生のオレらにとって、そんなこと出来っこないけどさ……
天井に向かって両手を伸ばし、消えた小宮山の温もりを求めてため息を落とした。
それから、小宮山、なにしてっかなー……?、なんて思って携帯をチェックする。
なんだかんだ言って小宮山から連絡は殆ど来なくて、やっぱまだオレに気を遣ってんのかな……?なんて寂しく思う。
いつも連絡を入れると直ぐに電話にでるし、LINEも速攻で既読が付いて返信が来る。
ずっと携帯を眺めながら、オレからの連絡を待っている様子が目に浮かんで、すげー嬉しいんだけど、やっぱ寂しくて……