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【テニプリ】闇菊【R18】

第57章 【カレカノ】




「あ、あの、英二くん……?」


そんなオレの様子に少し戸惑った顔をする小宮山に、あのさ……そう声のトーンを落としてその顔をまっすぐに見つめた。


「今日の夜にさ、タカさんちで不二の祝勝会あんだけど……小宮山、一緒に行ってくんない?」


そんなオレの頼みに、え……?って小宮山は驚いた顔をして、でも私なんて完全な部外者ですし……なんて視線を泳がせるから、大丈夫だって、いつものメンバーだからさ、そう安心するようになだめる。


「でも……私、そう言うの初めてですし……」


それでも小宮山はなかなかうんと言わないから、やっぱいきなりはキツいかな……?なんて思いながら、やだ?って首を傾げて言うと、嫌って言うか、恥ずかしいですし……そう小宮山は顔を赤くして俯いた。


「……不二にさ、ちゃんと報告したいんだ、小宮山とのことさ」


小宮山との関係を復活させたあの夜、電話で不二と本音の話をした。
オレと小宮山が上手く行けばいいとずっと言い続けていた不二……
だけど、あの穏やかな笑顔の奥では、涙を流しているはずなんだ……


不二はそういうやつだから……
自分のことより、周りのことを大切にするやつだから……


すげー、いいやつで、幸せになってほしいけど……


だけど、


譲れないから……


小宮山のことだけは、不二にだって、他の誰にだって、


絶対譲れないから……


大切な親友だからこそ、一番最初に、直接報告しなきゃなんないんだ……


「……そうですね、不二くんには沢山お世話になってるし、ちゃんとお礼言わないとですよね……」


他の皆さんにも、空港でのお礼と謝罪がまだですし……、そう義務感から意を決した様子の小宮山に、やっぱ真面目、そう内心苦笑いしながら繋いだ手に力を込める。


わがまま言ってごめんな?、そう呟くオレに、こんなの英二くんのわがままに入りませんよ?、なんて小宮山はふふっと笑った。

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