第57章 【カレカノ】
ハッとして目を覚ます。
ここは……風通しの良い小宮山の部屋……
自然の風が汗ばんだ身体に心地よくまとわりつく。
夢か……、そう身体を起こして両方の手のひらをじっと見つめて、さっきまで見ていた夢の中の優しい笑顔を思い出す。
「小宮山……?」
確かに腕の中に包み込んで眠りについたはず……
もう起きたのかな……?、辺りを見回しその姿を探す。
全てを包み隠さず話してお互いの気持ちを確かめ合った。
そんで明け方に帰ってくると、その温もりも確かめ合った。
それは生まれて初めて経験した、愛のある行為……
ずっと小宮山との行為はキモチイイと思っていたけれど、昨日はいつもと比べらんないくらいキモチヨくて……
それはきっと小宮山とだから……
小宮山とじゃなきゃ感じられない、満たされた行為だから……
わー!わー!!わー!!!
何だよ、コレ!何だよ、コレ!!何だよ、コレ!!!
急に思い出したかのようにバクバクと騒ぎ出した胸をギュッと手で鷲掴みにする。
頬が一気にアツくなって、もう一方の手でそれを隠すように覆う。
こんなに心臓がざわめいて、ソワソワと落ち着かない気持ちは初めてで……
それから腕の中にいるはずの小宮山がいない寂しさに、どこ行ったんだよ……?、そう腕の中の残り香を確かめる。
いや、小宮山んちなんだから、きっと部屋にいなきゃ、リビングかどっかだろうけど……
探しにいきゃいいんだけど……
ドキドキしすぎて、どんな顔して会えばいいのか分かんないっての……!
あー、もう、なんなんだよ!!
慌ててタオルケットを頭からかぶり、もう一度ベッドに潜り込む。
みゃあ!、思い切り引っ張ったタオルケットからネコ丸が転がり落ちて、恨めしそうにオレを見るから、あ、ゴメン、そう慌ててひょいっと抱き上げた。