• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第57章 【カレカノ】




痛い……おかーしゃん……怖いよ……
辛いよ……悲しいよ……


暗い……凄く暗くて……深くて……
冷たくて……


ずっと笑顔に隠した心の奥底で泣いていた……
膝を抱えて、誰にも気付かれないように……


ガキの頃の、情けない顔のオレ……


「英二くん……もう泣かないでください……」


フワリと何かが舞い降りた感覚……
その声に顔を上げて、それから目を細める……


それは柔らかく穏やかな……
とても優しく心地よい光……


暖かい……


まるでそれはオレを優しく包み込んでくれるかーちゃんのよう……
いんや、かーちゃんとも違う……


他の誰とも違う……もう一つの大切な……


「私が一緒にいますから……ずっと側で一緒に……」


暖かい光がガキの頃のオレを包み込む……


涙が溢れてくる……
悲しいんじゃない……嬉しくて……


気がついたら、ガキの頃のオレは今のオレに変わっていた……


そっと両手を伸ばしてその光を求める……
フワリと頬に触れ涙を拭いてくれる……


「小宮山……」


自然と言葉をついたその名前……
そう、小宮山だ……
ずっとオレの側にいてくれた……


欲望抑えらんなくて、力ずくで押し倒した……
さんざん利用するだけ利用して、そんで傷つけ続けた……
そんなオレなんかを好きだって、ずっと側にいるって言ってくれた……


「はい……私が一緒にいますから……一緒に背負いますから……」


だから、もう泣かないでください……
眩しくて暖かくて、優しい光がすーっとクリアになっていく……


途端に目の前に飛び込んできた小宮山の笑顔……
ギュッと力いっぱい抱きしめてその温もりを確かめる……


小宮山……小宮山……
もう傷つけないから……大切にするから……


だから、ずっと、オレの、側にいて……?

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp