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【テニプリ】闇菊【R18】

第10章 【ホウカゴ】




「ちょっ、冗談、でしょ……?」


その突然の彼の申し出に心臓が大きくドクンと脈を打つ。
口でって……つまり、それはその……想像しただけで恥ずかしさから顔が真っ赤になる。


お願いだから、冗談だよん!って言って、そう心の中で必死に願い彼の様子を伺うけれど、彼の笑顔は決して冗談などではなさそうで、フーッとため息をついて首を横に振った。


「ムリ、です……!」

「大丈夫だって、この間もやったじゃん?」

「だってあの時は……その……」


その続きがなかなか言えなくて口ごもる。
髪を耳に掛けながら目を泳がせて、なんて言おうか考える。


「エッチの最中だったし?」


そうはっきり言い切る彼の言葉に、恥ずかしくてカァーッと顔が赤くなる。
そんな私を英二くんは面白そうに見下ろしてニヤリと笑う。


「回数こなさないと何時までたってもうまくなんないぞ?」

「ならなくて結構です!!」

「んなこと言ってないでさ、気楽に~気楽に~♪」


そう言って英二くんはカチャカチャとベルトを緩め、既にその存在をうるさいほど主張しているソレを取り出した。


「やっ、本当ムリ!!」


恥ずかしさから慌てて顔を背けると、ギュッと瞳を閉じて顔をブンブンと横に振る。


「つーか、いい加減にしろって」


急に英二くんの声のトーンが低くなり、慌てて彼の顔を見上げると、そこにはさっきまでの笑顔とは打って変わって、冷たく鋭い目つきで私を見下ろしていた。


ギュッと胸を締め付ける痛みが襲い、恐怖で身体が縮こまる。


たくっ、手間かけさせんなよな、そう横を向いてため息をつく英二くんに、ご、ごめんなさい、そう慌てて謝ると、ほらっと彼が私の口元に彼自身を押し当てる。


震える手でソレをそっと包み込み、唇を落として舌を這わす。
分からないなりに必死に口に含んで動かすと、彼が私の髪をゆっくりと撫でた。


そっと彼を見上げると、英二くんはもう怖くない顔で私を見ていて、良かった、そうホッと胸をなで下ろした。

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