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【テニプリ】闇菊【R18】

第51章 【ハハコイ】ヨウジキ③




ピンポーン、ピンポーン……


「こんにちはー、すみませーん……!」


数日後、突如、部屋のインターフォンが鳴り響いた。
英ちゃ~ん……、新聞の勧誘なら断っといて……、そう二日酔いの母が布団の中から声をかけた。
黙って頷いて、ガチャリとドアを開けた。


「キミが英二くんね?、こんにちは」


新聞の勧誘かと思ったその訪問者は、どうやらそうではないらしく、スーツできちっとした格好のおじさんと、優しそうなおねーさんのその2人組に、なんでオレの名前知ってるんだろう?そう不思議に思って小さく頷いた。


「お姉さんたちね、ちょっとお話したいなーって思って来たんだけど、お母さん、いるかな?」


その2人組は凄く笑顔だったけど、その笑顔の奥でオレの様子を注意深く観察しているようで、その視線に居心地の悪さを感じて俯いた。


「居るけど……寝てる」

「そっか、お昼寝してるのかな?」

「おかーしゃん、疲れてるから……」

「そうなんだ、英二くん、それで大人しく待ってるんだ、偉いね~」


胸がドキドキした。
試されているみたいで嫌だなって思った。
その目から避けるように後ずさりした。


「ちょっと英ちゃん、新聞の勧誘なら帰ってもらえって言ったじゃ……あんたたち、誰よ?」


話し声を不思議に思ったのか、奥から顔を出した母が、心当たりのないその訪問者に眉間のしわを寄せた。


「あ、英二くんのお母さんですね?私達、こういうものです」

「……児童相談所って……なによ、どういうこと?」

「ちょっとお話をお聞きしたいなって、子育てに悩んでいたりしませんか?」


自分のことだ、そう思って慌てて母の背中に隠れた。
母はオレを隠すように背中を押して、英ちゃんはあっちに行ってなさい、そう奥に行くように言った。


うん、そう小さく返事して奥にいこうとしたオレを、あ、英二くん、そうおねーさんが呼び止めた。

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