第50章 【フアンナオモイ】ヨウジキ②
「ああっ、すごっ、激しっ、あん、ん、あ、ひゃあ、ああん!!」
早く寝なさいね、そう言われて嫌々向かった布団の中で、また始まった男女の営みに耳をふさいで時間が経つのをひたすら待った。
「ほら、どこがいいの?ちゃんといいなよ?」
「ああん、奥、いいの!すっごく、気持ち、いいの!!もっと、激しっ、いっぱい、ついてぇ!」
おしっこ……したくなっちゃったよ……
布団の中で催した生理現象を必死に我慢しながら、いつ終わるかもわからないその行為に、全身から冷や汗を流した。
おかーしゃん、まだ……?、もう漏れちゃうよ……
あ、ああ……、限界まで我慢したけど、結局堪えきれなくて、布団の中でとうとう溢れ出したその生暖かい感触に、気持ち悪いのと叱られる恐怖とで涙が溢れた。
「英二!!あんた、何てことしたのよ!!」
「ごめんなしゃい!、おかーしゃん、ごめんなしゃい!」
朝になるとオレの失態に気が付いた母親は、凄い剣幕で怒り出した。
もうしないから許して!、そう泣き続けるオレに、母は自分で洗濯しなさいよ!そう汚れたシーツを投げつけて睨みつけた。
だって……トイレに行きたくても、行けなかったんだもん……
そのシーツと一緒にパジャマとパンツも洗濯機に放り込むと、ゴシゴシと涙を拭きながらスイッチを入れた。
「まあまあ、おまえだってパンツもシーツもビチョビチョにして、あんあんナいてんだろ?」
「やだ、それとこれとは話が……違っ、あ、ひゃう、ぁん……」
その男がニヤニヤしながら、母の下半身に手を入れると、母はまただらしない声を上げ始めた。
隠れる布団もなくて、仕方なく玄関から外に出るとドアにもたれて座り込んだ。
「あん、ん、んふぅ……、も、う、今すぐ、ちょうだあい……」
玄関先に出てもボロくて狭いアパートでは、そのコエがはっきりと聞こえてきて、慌てて耳をふさいでうずくまった。