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【テニプリ】闇菊【R18】

第48章 【ケツイトカクゴ】




♪、♪、♪……


『当たり前だよ』

『好きに決まってるじゃないか!』

『嫌いじゃないっすよ?』

『お前は大切な仲間だ』


続々と届くメッセージ。
みんな、何も言わずに察してくれる。
おチビや手塚まで……アメリカとドイツって今、何時なんだろ……?
つうか、日本にいるやつらこそ、もう寝てただろうにさ……


♪~


すぐになる呼び出し音。
ディスプレイの名前に戸惑って、それを受けることが出来ずただ画面を見つめる。


『小宮山さんも英二のこと、大好きだよ?』


呼び出し音が止まってからすぐに届いたLINE。
ああ、解ってるよ、不二、ちゃんと解ってんだけど……だけど、すげー不安で苦しいんだ……


苦しい……
息ってどうやってすんだっけ……?


ベンチにうずくまって必死に苦しい胸を押さえる。


『英ちゃん、おはよう、ふふ、お寝坊さんね?』

『英ちゃん、窓開けて、今日は徹底的に掃除するんだから!』

『ふふ、英ちゃんったら、駄目よ、もう』


英ちゃん、英ちゃん、英ちゃん____


頭の中で何度も繰り返すあの女の声。
うっさいんだって!やめろよっ!、そう耳をふさいで大声を張り上げる。


『……英二、なによ、その目……?』

『ほんと、可愛くない……!』

『だから邪魔なのよ……消えて?お願いだから……』


激しい二面性。
その時々で態度が一変するその様子に、どうしてよいかわからず、ただ戸惑うことしかできなかったあの頃の自分。


あの女の機嫌のいいときの笑顔と狂気さえ感じられる歪んだ顔が、頭の中でグルグルと繰り返して離れない。


「英二くん……ありがとうございます」

「もう、本当に英二くんったら……!」

「英二くん……あの……?」


嬉しそうに頬を染める笑顔、頬を膨らませながら拗ねるその様子、不思議そうに首を傾げて戸惑う仕草……


英二くん、英二くん、英二くん____


小宮山……小宮山……小宮山……!!


もう心と身体がバラバラだ……


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