• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第47章 【オレノコト】




「あ、あの……英二くん、ごめんなさい……」


だから謝んなって……


「私、あの……言いたくない訳じゃないんです……」


オレが聞きたいのはそんな言葉じゃないっての……


「ちょっと、その……だって……恥ずかしいし……それに……」


もういいよ、そうオレの冷たい声が部屋に響いて、背中に怯える小宮山がビクッと肩を振るわせた気配を感じた。


不安と苛立ちがグチャグチャに混じり合って暴走する。
ダメだって、絶対、それだけは言っちゃ、ダメだって!
そう頭の中で自分を制止するも、身体は言うことを聞かず、怯えきっている小宮山にむかって嘲笑う。


「……芽衣子ちゃんはオレに抱かれながら、さんざん言ってくれたけどね……?」


その瞬間、小宮山の目から涙が溢れ出す。
酷い……、震える声に胸が張り裂けそうに痛んだ。


本当、酷くて最低なやつだよ、オレは……
結局、小宮山を大切になんか出来ないんだって……


「そんなの、最初からわかってることじゃん……?」


そんでもいいって言ったのは誰だよ?、そう冷たく言い放つと、必死に声を押し殺して小宮山は涙を流した。


小宮山が泣くのは当たり前なのに、そんな小宮山の嗚咽すら聞きたくなくて、立ち上がると荷物の中から適当な服を取り出す。


英二くん……?、そう不安そうに小宮山が声をかけてきたけれど、その声に構わずにただ黙々と服を着て、財布と携帯をポケットに突っ込んだ。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp