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【テニプリ】闇菊【R18】

第47章 【オレノコト】




「ふふ、はい、そうですね……」


見てよっ!


「え?だったらそれもその時に……」


ねぇ、ちゃんと見てっ!!


「ふふ、大丈夫です、楽しみにしていますね」


ちゃんとオレを見てったら!!!


また闇の底から顔を出した苦い感情。
ドクン____、大きく心臓が脈を打ってざわめき出す。
そっとタオルケットから覗く小宮山にあの女の姿が被り愕然とする。


やだよっ!!


慌てて駆け寄って小宮山をギュッと抱きしめた。


「キャッ!」


突然、後ろから抱きしめたオレに思わず悲鳴を上げた小宮山は、すげー驚いた顔でオレの方を振り返る。


『小宮山さん……?どうしたの?』


電話の向こうから漏れる不二の心配そうな声に、あ、何でもありません、そう小宮山が慌てて返事をする。


違う……小宮山はあの女と違う……
不二だって大切な試合の前、不安な気持ちを小宮山と話すことで紛らわしてんじゃん?
ゆっくり話くらいさせてやれって……


小宮山の後頭部に頭をもたげながらその香りを嗅いで、冷静を保とうと必死に抱きしめる。


「あ、あの、不二くん、私、そろそろ……」

『クスッ、英二のヤキモチが始まったかな?』

「うるさいな、そんなんじゃねーって……」

『あ、聞こえた?』


もう切るよ、そう言って小宮山の携帯を取り上げると、通話終了を押して机の上に置く。


「あ、あの……?」


そんなオレの態度に不安そうな声で小宮山が声をかける。
ごめんな、邪魔して……そうポツリと呟くと、いいえ、そんなことは……そう戸惑いながら首を横に振った。


そうじゃん、小宮山は小宮山じゃん?
あの女じゃないって……
なのに、なんでオレ、こんなに不安なんだよ……


小宮山の手を引いてベッドヘと移動すると、強引にその身体をマットへ沈めて唇を重ねる。
戸惑いながらも小宮山はそれを受け入れて、オレの首に腕を回しながら目を閉じる。


ドクン、ドクン____


不安感が消えないまま、小宮山の身体を必死に抱きしめた。

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