• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第46章 【フタリノキョリ】




「私、好きそうですか……?」

「うんにゃー、小宮山の部屋にも何個かアクセントに飾ってあるし、大五郎貸してやると、嬉しそうにずっと抱っこしてるじゃん?」


そう私の顔をのぞき込んでニイッと笑う英二くんのその様子に、ますます心臓が速く高鳴って頬が熱くなる。


恥ずかしくて慌てて視線をマスコットチェーンに戻すと、そんな私の様子に英二くんは、小宮山、顔、真っ赤ー、そう言ってまた笑った。


そりゃ、赤くもなりますよ……


そう頬を膨らませながら眺めていたマスコットチェーンの中に、ふと大五郎にそっくりのクマちゃんを発見する。


ふふ、毛色もクビのリボンの色も、本当、そのまんま……


「英二くん、コレ、大五郎そっくりですよ?」

「あ、小宮山ー、ネコ丸発見ー♪」


マスコットを指差しながら発した2人の声が重なり、お互い顔を見合わせてクスクス笑いあう。


「本当だー、大五郎じゃん!オレ、気がつかなかった~」

「私もです、普段はこう言うの、真っ先にネコちゃんを見るんですけど……」


お互いが自分の好きなものじゃなくて、相手の好みのものに気がついたことが可笑しくて、またそれが、なんかくすぐったくて嬉しくて……


本当、ネコ丸そっくり……、そっとネコ丸のマスコットに触れながら、そうポツリと呟いた。


そんな私の様子を、んー……って考え込みながら見ていた英二くんは、小宮山、それ、気に入った?そう問いかけるから、え?あ、はい、可愛いです、そう言って答える。


「んじゃさ、買っちゃるよん?」


そう英二くんはウインクしながら、ネコ丸のマスコットを手にとり、ほいっとそれをレジに置いたから、え?あ、あの……、そう慌てて引き止める。


「そんな、買ってもらえませんよ!」

「いーんだって、オレが買うって言ってんだから別にいーじゃん?」


そんなこと言ったって、やっぱり英二くんにお金を出して貰うわけにいかないよ……
慌てて英二くんの腕を押さえて、必死に首を横に振った。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp