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【テニプリ】闇菊【R18】

第46章 【フタリノキョリ】




小宮山に一番近いのはオレだって当然のように思っていたけど、本当はオレなんかより不二の方がずっと、小宮山の近くにいるのかもしんない……


「小宮山、LINE入れるよー?」

「それは構いませんけど……なんでですか……?」

「前にも入れろって言ってたじゃん?」


サクサクっと登録しながら、やっぱり必要性を感じないんですよね、なんて苦笑いする小宮山に、これから必要になるんだって、そう言ってウインクをする。


「オレ、携帯代、高くなるとかーちゃんにすげー怒られるからさ」

「え……?、携帯代って……?」


無料通話じゃないと、あんま電話出来ないじゃん?、そうニイッと笑って登録を済ませた携帯を小宮山に返すと、えっと……そう小宮山は戸惑いながらそれを受け取る。


「だーかーらー、これからは電話もするし、LINEも普通に送るって言ってんの!」


小宮山からもちゃんとちょうだいよね?、そうニイッと笑って念を押すと、小宮山は目を見開いて、それからすげー嬉しそうに笑った。


新しい友達リストに入ってきた小宮山に、早速なんか送ろうと操作していると、自分が送信をタップする前に小宮山の通知音がピンコンと鳴り響く。


ほえ?って思って、もしかしてー?って思って、まぁ、小宮山の友達リストはオレ以外もう一人しかいないんだから、当然相手はわかってんだけど、不二くんです、そう携帯を覗き込んだ小宮山のセリフに、やっぱりね、そうガクリと肩を落とす。


『やあ、小宮山さん、LINE入れたんだね』

『もしかして一番乗り?』

『英二、悔しがってるでしょ?』


ったく、不二のヤロー、オレより先にー!、そう頬を膨らませながら覗き込んだメッセージに苦笑いをして、すぐになったオレの携帯の『残念でした』『僕に勝つのはまだ速いよ?』に再度肩を落とす。


ちぇーっ、そうもう一度、頬を膨らませるオレの様子に、小宮山はクスクス笑っていた。

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