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【テニプリ】闇菊【R18】

第46章 【フタリノキョリ】




「そういや、小宮山って好きな芸能人だれー?」


小宮山とこんな話したことなかったなー、なんて思いながら、そうチラッと視線を向けて問いかけると、小宮山は、んー……とちょっと考え込む。


「特にいませんよ……、歌もあまり聞かないですし……」


洋楽ならちょっと聞くこともありますけど……、そう少し困ったように笑う小宮山に、あー……そうかもね、なんて苦笑いで返事をする。


「小宮山、カラオケとか行かなそうだしねー……」

「……中学の頃なら何度か行ったことありますけど……」


そう苦笑いする小宮山に、ああ、あいつ等とね……、そう悪いこと聞いたかな?って少し申し訳なく思うと、気にしないでくださいね?なんて困った顔をした。


確かにオレだって、過去のこと知られて気を使われるの、好きじゃないしな……
そう思うんだけど、自分が逆の立場になると実際は難しくて、ん、って返事をする顔もぎこちないものになる。


ふとテレビがCMに切り替わり、チラッと視線を向けると、今までテレビにさほど関心を示していなかった小宮山が、そのCMをジッと見ているのに気がついた。


んー……?って思ってテレビ画面を見てみると、そこには今人気のイケメン俳優が映し出されていた。


「小宮山……、コイツ、好きなの?」

「え……!?、あ、そういう訳じゃないですけど……」


そう一気に頬を染める小宮山に、明らかに好きだろーって笑うと、好きって言うか……その……なんて言葉を詰まらせる。


「ただ、ちょっとだけ……英二くんに似てるかなって……」


なんて言って小宮山は恥ずかしそうに俯くから、そう言えば、前にも誰かに言われたことあったかもー?なんて思って、もう一度そのCMに視線を向ける。


「……コイツ、共演者キラーで有名だしね……」

「あっ!、いえ、決してそう言うところだけが似てるって言うわけではなく……」


慌ててフォローしようとしている小宮山に、はは、やっぱそう思ってんじゃん……なんて思って苦笑いをした。

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