第45章 【カミドメ】
「大石や不二にも似たようなこと言われるー」
「……でもやらないんですね?」
「めんどいもん、勉強、面白くないし」
んーって背伸びをして、サンキュってそれに口を付けると、ふと視線を向けた小宮山に、ほえ?って目をぱちくりさせた。
「どうしたんですか……?私の顔に何かついてます……?」
「いんや、髪の毛、アップにしたんだなーって思ってさ」
勉強に集中していたから全然気がつかなかったけど、小宮山は普段おろしている髪の毛をくるっと一つにまとめていて、始めてみるその髪型が新鮮で、思わずジーッと小宮山を見続ける。
「あ、はい、英二くんに説明するときに教科書に髪が掛かっていたので邪魔かな?って……」
変ですか……?、そう恥ずかしそうに微笑む小宮山の白い首もとには、昨日オレが付けたしるしがはっきりと見えていて、にゃんかエロい、そう思わずニヤリと笑うと、なんでですかっ!そう小宮山は慌てて髪を解こうとした。
「いーから、いーから、そのままでいーじゃん?」
ニイッと笑って両手を広げると、小宮山は少し赤くなった頬を膨らませながら、そっとオレの脚の間に座るから、ギュッと抱きしめて引き寄せると、それから後ろに引いてベッドに寄りかかる。
キャッと小さい悲鳴を上げてオレの上に覆い被さる状態になった小宮山は、あ、あの……そう視線を揺らして、それから恥ずかしそうに頬を寄せた。
目の前で見たその髪留めは、ふんわりとした白とベージュのシフォンのリボンと、金の縁のついたパールの石が特徴的で、可愛いデザインなんだけど甘すぎずどこか上品で、そんな雰囲気の小宮山によく似合っている。
コレ、小宮山っぽい、そう髪留めに触れながら頬にキスすると、そうですか?不二くんに選んでもらったんです、そう言って小宮山はくすぐったそうに微笑んだ。