第45章 【カミドメ】
朝食を済ませるとそれから小宮山は勉強するって言うから、机に向かう小宮山を眺めながら、流石だねーって言ってベッドに寝ころぶも、そう言えば宿題持ってきてたんだっけ、なんて思い出す。
やってかないとねーちゃん達、またうるさいだろうしな……
「ねー、ねー、小宮山ー、宿題ってもう終わってるー?」
「終わってますけど……写すのはダメですよ?」
あ、やっぱりね……
そんなこと言わないでさー、なんて後ろからギュッと抱きしめて甘えてみるも、だ、ダメなものはダメですよ!そう頑としてうんと言わない小宮山に、ちぇーって唇を尖らせる。
小宮山、真面目だから、こう言うときはオレのお願いもきかないんだよにゃー……
仕方がないから、ちょっとは自分でやるかー、また小遣いなしの携帯解約なんて言われたらやだし、そうテーブルに持ってきた宿題の山を並べると、頭を抱えてそれに取り組む。
「……わからないところがあったら聞いてくださいね?」
「はは、一問目からもうお手あげー!」
ええっ!?だってそれ、中学の復習問題ですよ!?そう驚く小宮山に、逆に最近やったとこなら少しは覚えてるんだけどねー……なんて苦笑いした。
「オレは丸暗記の一夜漬け派だから、新しいのを詰め込むと、その前のは上書きされちゃうの!」
そうなんですね、そう苦笑いしながらも丁寧に教えてくれる小宮山に、呆れてる?って上目遣いをしてみると、いいえ、基礎が定着していないのに応用が出来るなんて凄いと思います、なんて言われる。
小宮山のことだから嫌味じゃなくて本心なんだろうけど、やっぱり少し馬鹿にされているような気がして苦笑いをした。
「英二くん、頭の回転も速いですし、集中力も暗記力もあるんですから、毎日ちゃんと積み重ねれば、もっと成績あがりますよ?」
アイスのカフェラテを出してくれながら、そう声をかける小宮山の言葉に我に返る。
気がつけば宿題もけっこう進んで、時間も2時間くらいあっという間に過ぎていた。