第45章 【カミドメ】
目が覚めてだんだん頭が働いてきたら、そこに小宮山がいて、それからすげー幸せそうな顔をしているから、そんな小宮山を見ていたらオレも嬉しくなった。
「あ、あの、洋食にしますか?それとも和食にしますか?」
そう遅い朝食にしようとキッチンで問いかける小宮山に、んとねー、和食、小宮山食べるー!なんて言って笑ったら、な、何を言ってるんですか!なんて言って頬を赤くする。
「もう、だったら洋食にします!」
そう小宮山は少し染めた頬を膨らませながら、スコーンをトースターに並べて冷蔵庫から昨日の残りのオムレツやジャムの瓶を取り出した。
それから、んー……って野菜室をのぞきながら少し考えていた小宮山は、色々な野菜や果物を取り出すから、トースターから程よく温まったスコーンを取り出しながら、そんなにどうすんだろ?なんて思って見ていると、片っ端からミキサーへと放り込む。
どこかで見たことあるようなその光景に、もう嫌な予感しかしなくて、ちょいまち!そう慌ててその手を止めた。
「もしかしてさ、フレッシュな生ジュースを作ろう……とか思ってる?」
「あ、はい、そうですけど……?」
そう、きょとんとした顔をする小宮山に、やっぱりね、なんて苦笑いして、これじゃー乾汁ならぬ、小宮山汁だよ、なんて冷や汗をかく。
「こんなに色んなもの入れたら、とんでもない味になっちゃうじゃん!」
「そうなんですか?でも、栄養のバランスを考えたらこのくらいは入れないと……」
小宮山、料理に関しては思考回路、乾と一緒ーーー!?
いやいや、味が一番大事だからっ!味あっての栄養だからっ!そう言って余計な野菜を取り出すと、味のバランスが良さそうなものだけを選びだす。
「ついでに言うと、皮や芯は取り除かなきゃダメだかんね?」
そう手早く下準備をすると、あ、言われてみればお母さんもそうしてました!、そうすげー納得している小宮山に、オレがいる間は、ごはん、全部オレが作るからさ、なんて苦笑いした。