第44章 【ヨフケノケツイ】
「英二くん……もしかして、知ってたんですか……?」
そう問いかけた私に、英二くんは、前に来たときにさ、勝手にゴメンな?、そう申しわけなさそうな顔をする。
ああ、だからあの後、英二くんの様子が可笑しかったんだ……、そう納得しながら、首を横に振り、ビックリしましたよね……そうそっと苦笑いをする。
「……コレさ、小宮山、自分でやったんだろ?」
そうアルバムに視線を戻した英二くんの質問に、そうですけど……、なんて戸惑いながら答えると、あー、やっぱ除光液じゃ無理かー……そう呟いた彼が携帯を操作する。
すぐに私の携帯が短い通知音を鳴らしたから、不思議に思って確認すると、それはやっぱり英二くんからのメールで、添付?そう首を傾げながら開くと、それは私が笑っているところの画像。
あ、これって……あの時の……?
英二くんの機嫌が悪くなる直前、いつもの体育館裏で一緒にお弁当を食べた。
その時の話があまりにも可笑しかったものだから、珍しく笑いが止まらなかった私に、英二くんは携帯を向けてシッターを押した。
コレクション♪、なんて言われて、英二くんの秘密ならいいですよって恥ずかしくて俯きながら呟いた時のことを思い出す。
あんなに嫌われてたのに、まだとっててくれてたんだ……
「小宮山、それさ、プリントアウト出来る?あんまおっきくない方がいいんだけど……」
「え……?出来ますけど……?」
んじゃ何枚か、適当に大きさ変えてお願いー、そうウインクする英二くんの真意が分からずに、戸惑いながらパソコンを立ち上げてプリントアウトする。
それにしても、私、英二くんの前ではこんな風に笑ってるんだ……
パソコンの画面に転送した私の顔を見ながら、他の人の前では笑えないのに、そう思ったら恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じた。