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【テニプリ】闇菊【R18】

第44章 【ヨフケノケツイ】




……ここは……教室……?


辺りを見回すと周りには友人たちと楽しそうに話すクラスメイト……
ザワザワと聞こえてくる、楽しそうな笑い声とざわめき……


教室の真ん中で1人、それをぼんやりと眺める……


どこか懐かしいブレザーの制服……
そっと視線を自分の身体に向けてその裾を撫でる……


「なにぼーっとしてんの、璃音?」


この声……ナオちゃん……?


「相変わらず、本のことでも考えてたんでしょ?」


そう言ってナオちゃんが可笑しそうに笑い、速くおいでよ?そう友人たちと一緒に手招きする……


そんな彼女に笑顔を返した……


「ね、ナオちゃん……私、可笑しくない……?」

「何言ってんの?いつも通りとてもキレイよ……?」


香月くんもそう思うでしょ……?、そうナオちゃんの視線の先に顔を向ける……
香月くん……?、振り向くと先ほどまでそこにいなかった彼……


「ああ、いつも通り、キレイな髪だね……」


そう囁いてそっと私を引き寄せる……


香月くん……
その胸に頬を寄せて寄り添うと、彼は優しく包み込んで私の髪をなでる……


何だろう……
この違和感……解らない……


「香月くん……私たちって……」

「どうしたの?小宮山さん、やっぱりちょっと可笑しいかな?」


僕たち、いつもこうしているじゃないか……そう香月くんが私に微笑む……


……そうだよね……
私たち、いつも生徒会室で寄り添っていた……


「本当、璃音は私がいないとダメなんだから!」


そうクスクス笑う声に振り返る……
ナオちゃんの優しい笑顔……


「うん……なんか……ぼーっとしちゃって……」


私が私じゃないみたいなの……、そう頼りなく微笑んだ……

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