第43章 【シルシノイミ】
「バスタオル、これ使ってくださいね。ボディタオルも未使用のものがありましたから……」
シャンプーやボディソープも自由に使ってください、そう洗面所に案内してくれた小宮山がアレコレと用意してくれる。
ほいほーい、そう返事をして、やっぱ一緒に入る?なんてもう一度言ってニイッと笑うと、だから入りません!そう真っ赤な顔をした小宮山は大きな音を立てて、慌てて洗面所から出て行った。
ほーんと、小宮山ってばからかうと面白いよねん♪、そう思いながらペロッと舌を出すと、真夏の気温と小宮山との行為でかいた汗を熱いシャワーで洗い流す。
ポンプを押してシャンプーを手のひらに出すと、小宮山の髪のフローラルな香りがあたり一面に広がった。
身体を洗い流して小宮山が用意してくれたタオルで拭き取ると、ネコ丸のタオルと同じ香りが鼻をくすぐる。
その香りと肌ざわりはやっぱりどこか安心できて、暫くタオルに顔を埋めてそれを堪能した。
「シャワー、サンキュ、さっぱりした~♪」
髪をタオルでふき取りながら小宮山が待つリビングに戻ると、そんなオレを目を丸くして小宮山が見ている。
はは、すげー、ガン見、そう言ってニイッと笑うと、あ、いえ、その……そう小宮山は真っ赤な顔をして視線を泳がせる。
「絆創膏、貼ってないの……始めてみたから……」
そう恥ずかしそうにまたチラッとオレをみる小宮山に、もっとじっくり見る?なんて言って笑うと、は、はい、あ、いいえ……そう言ってますます真っ赤になって俯いた。
「小宮山と2人んときは、絆創膏、いらないかんね……」
そうポツリと呟くと、え?って少し不思議そうな顔をしたから、何でもないよん、そう言って髪を拭いていたタオルをバホッとその頭に被せる。
「……濡れた髪も始めてみました……」
そう俯いて小さく呟いた小宮山の、タオルの隙間から覗いたその頬は、やっぱり真っ赤に染まっていた。