• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第41章 【エガオノオク】




「それしにても、あの英二先輩がとうとう彼女持ちっすかー!」


流れる涙が落ち着いた頃、そう喜々とした顔で桃が声を弾ませたから、いや、彼女ではない、そう冷静な口調で乾がそれを否定をする。


「へ……!?、それじゃあ……小宮山先輩って、まさか……英二先輩のセフレっすか!?」


乾のその言葉に桃が勢いではっきりと言ってしまい、そのセフレというあまりよい意味ではない言葉に、周りの視線がチラチラとこちらに集まる。


うるせぇ!周りをよく見てみろ!、そう居心地の悪さを感じて海堂が一喝し、あ、悪ぃ……、そう周りの視線に気がついた桃が気まずそうな顔をした。


「だいたい、そのことに気がついてなかったのはテメェだけだ」


そうボソッと呟いた海堂に、マジかよ?そう驚いた顔をした桃が僕と乾に視線を向けてくるから、多分ね、そう微笑んでそれに答えると、マジっすかー!なんて叫びながら桃は手の平で顔を覆い天を仰いだ。


「海堂ー、お前、何時の間に気がついたんだよ!?」

「体育祭の時だ」

「かーっ!、だったらなんで教えてくれなかったんだよー!」

「小宮山先輩の様子を見ていれば馬鹿でも気がつく」

「何だと!じゃあ、気がつかなかった俺は何だって言うんだよ!?」

「……馬鹿以下なんだろ?」


雲行きが怪しくなってきたな……そう思っていると、案の定、何だと!?、やんのかテメェ!、そんないつもの掴み合いが始まってしまい、見かねたキャビンアテンダントさんに、すみません、他のお客様のご迷惑になりますので……なんてなだめられる。


本当、桃と海堂は相変わらずだな……そう苦笑いをしながら、ペコペコ頭を下げる2人にため息を付いた。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp