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【テニプリ】闇菊【R18】

第40章 【ウデノナカノヌクモリ】




『ハッキングもイジメも、全部、私達がやったことなのに、璃音、バカみたいに私のこと信じてて、他の生徒も先生もみんな私の演技にコロッと騙されて、ほーんと、みんなバカばっかり』


突然響き渡ったその女と周りの女達の笑い声に、何が起きたのか理解できていない女達がざわめいて、オレ達はみんな口角を上げてニヤリと笑う。


「さっすが、乾♪」

「相変わらず頼りになるっすね!」


そうみんな口々に振り向いた先で、悪いが会話は全て録音させてもらったよ、そう乾が眼鏡をクイッと押し上げながら淡々と話す。


ほーんと、こう言うとき、頼りになるよねん、敵に回すと怖い男ってね、そうニヤリと笑いながらその女達に視線をむけると、みんな、驚きと恐怖に顔を歪めていた。


「な、何やってるのよ!!」


そう青い顔をして乾に飛びかかろうとする女を香月がサッと取り押さえる。
往生際が悪いぞ、ナオ、その言葉にグッと唇を噛んで乾を睨みつける。


「何なら最後まで聞くかい?小宮山さんの無実だけではなく、俺達の集団暴行未遂の無実も証明されることになるだけだけどね……」


そう静かに話す乾の言葉に、震える唇からふーっと静かに息を吐いたその女は、分かったわよ……そう観念したように呟いて、それから小宮山に蔑むような視線をむけた。


「良かったわね、守ってくれる王子様がこんなに沢山いて」


さぞ、良い気分でしょうね?、そう言って歪んだ笑みを浮かべる女に、オレの腕の中で相変わらず震え続ける小宮山は、そんな事……そう小さい声で返事した。


「ナオ、小宮山さんに謝るんだ」

「分かってるってば……そんな怖い顔しないでよ?一応、私たち、何度も身体を重ねた仲じゃない……」


一度も好きって言ってくれなかったけどね……、そう香月に言ったその女の笑顔が、一瞬だけ、少し寂しそうなものへと変わった。

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