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【テニプリ】闇菊【R18】

第40章 【ウデノナカノヌクモリ】




「香月くん!私達、この人達に……」


そんな香月とオレ達のやりとりを見てイラッとしたのか、そう女が眉間にしわを寄せながら香月の手を掴んで訴える。


そんな女の顔を黙って一瞥した香月は、もうやめろよ、ナオ、そう静かな声で冷たく言った。


「さっき、僕も彼に散々怒られたよ、小宮山さんがハッキングなんかするはずないって、なんで信じてやらなかったんだって……」


そう辛そうに言う香月に、小宮山は目を見開いてオレを見上げ、その女はハッとして、香月くん、知り合いなの……?そう青い顔をして後ずさりをした。


「僕の大切な友人達だよ、彼らが何をしたって?」

「……え、友人……?」


内心、誰もテメーなんかと友達じゃねーよ、なんて思いながら、小宮山とオレ達の味方になってくれることには感謝する。
それから信じられないという顔でオレを見ている小宮山の視線に、なんか恥ずかしくなって慌てて視線をそらした。


「小宮山さんがハッキングなんかするはずないんだ……いつだって真面目で真っ直ぐな小宮山さんが……僕が信じて守ってあげなきゃいけなかったのに……」


見事にナオ達に踊らせれたよ……そうその女の顔を辛そうに見て、それから、小宮山さん、ごめん、そう香月は小宮山に深々と頭を下げた。


「ちょっと、香月くん、どう言うこと?私のことは信じてくれないの!?」


そう焦ったような、苛ついたような、そんな複雑な表情を浮かべその女が訴えるも、香月は表情一つ変えず、もう騙されないよ、そう言って首を横に振る。


「わ、私、嘘なんか付いてないわよっ!ハッキングしたのは璃音だし、この人達にだって乱暴されそうになって……」


そう自分達の非を認めず、必死に訴え続けるその様子に、まだ言うのかよ……?そう呆れながらあざ笑う。


『楽しいに決まってるじゃない……』


その瞬間、その女の声と笑い声が全然違う方向から響き渡った。

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