• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第40章 【ウデノナカノヌクモリ】




「英二くん……」


そう涙を流して震える小宮山を背中に感じながら、オレの視線にビクッと震えたその怯えた目を思いだしてズキンと胸を痛ませる。


小宮山にとっては、オレが来たって怖いのは同じか……


さんざん、小宮山に対して自分がしてきたことを思い出し後悔するも、今はそれよりと、もう一度目の前の女達を睨みつける。


「おまえら、そのハサミでどうするつもりだったんだよ!?」

「別にー?何もするつもりないわよ?」

「とぼけんなよ!髪の毛、切るつもりだったんだろ!?」


そっと小宮山に視線を戻すと、震えながらオレの顔を見上げ、またその目から大きな涙をこぼす。
その涙が流れた頬には、明らかに外からの衝撃によって出来た赤味が帯びていて、その様子にまた一気に怒りがこみ上げてくる。


「小宮山の頬が赤くなってんのだって、お前らが殴ったんだろ!?」


さっき、香月が言った中学時代に小宮山がうけたイジメの内容をもう一度思いだす。


「そんで最後は水かけんのかよ……?」


コイツら、親友の振りして表では良い顔みせて、そんで裏で小宮山のこと、いたぶって楽しんでたんじゃん、そう確信してまた睨みつけた。


「へぇ……誰に聞いたの?璃音?」


オレが言い当てたいじめの内容に、周りの女どもが動揺する中、動じることなくどこまでも余裕な態度で、その中心にいる女が答える。


罪悪感、ゼロかよ……
そりゃ、そうだよな、こうやってまた繰り返そうってくらいだし、悪いと思っていたらんなことしねーか……


そいつらの余裕の態度とは裏腹に、小宮山の方がビクッと身体を振るわせる。
何で知ってるの……?まるでそう言うような顔でオレを見上げ、それから、小宮山がチクったと思って睨んでいる女達にまた怯えて震え出す。


英二、そう少し離れて様子を見ていた不二がオレに歩み寄り、肩に手を掛けて小宮山に視線をむけるから、ああ、分かってる、そう頷いて周りに視線を向けた。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp