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【テニプリ】闇菊【R18】

第36章 【セイフクデート】




「今日は本当にありがとうございました……」


夕方までたっぷり遊んだ駅の改札で、楽しかったです、そう少し寂しそうに笑う芽衣子ちゃんに笑顔で手を振ると、逃げるようにその場を後にする。


散々期待させるようなことをしておいて、本当、勝手なんだけど、今にも芽衣子ちゃんがもう一度告白してきそうで、やばいよな……って光丘行きのホームへと足早に向かう。


「あのっ!待ってください!菊丸先輩!」


後ろから聞こえたその声に思わず立ち止まり、それから、なに立ち止まってんだよ、なんて後悔する。


気がつかなかった振りして逃げりゃ良かったじゃん、なんてため息をついて、それから大きく息を吸い、どったの、芽衣子ちゃん……?、そう振り返りながら覚悟を決めた。


「あ、あの……菊丸先輩、私……」


息を切らして追いかけてきた芽衣子ちゃんは、オレの学ランの裾をギュッと握りしめて見上げると、それから、あっ……って不安げな顔をする。


……ああ、オレ、今、顔に出てんだろうな……


その芽衣子ちゃんの様子にそんな風に思いながら、ん……?そう問いかけると、芽衣子ちゃんは一瞬目を伏せて、それから意を決したように顔を上げてオレをみる。


「……先輩、前に私、先輩のこと好きだっていいましたよね……?」

「……ん……」

「嬉しいけどごめんねって……今も、答え、変わりませんか……?」

「……うん、ごめんね……」


その瞬間、芽衣子ちゃんの不安げな顔が悲しいものに変わり、目から涙が溢れ出した。

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