第32章 【ゲキタイ】
「……ほいほー……い……」
「やあ、英二、おはよう」
「……不二ぃ……?」
不二からの電話で起こされて、こんな朝早くにどったの?そう寝ぼけながら返事をしたオレに、小宮山さんは何時に学校に来るの?そう不二は突拍子もなく問いかける。
だんだん頭が冴えてきて、あー……って思って、不二、油断しすぎーって笑ったら、全部英二の責任だよって言われて、何でだよぅって頬を膨らませたら、当たり前だろって怒られた。
「それで、小宮山さんは何時に来るの?」
「さー……?知らないよん、いつもオレの方が遅いもん」
そう返事をしながら大きな欠伸をして、それから時計を確認するとまだ6時で、話ってそれだけー?オレ、昨日、散々昼寝したから夜寝れなかったんだよね、もう一回寝るー……そうあと30分は寝ようと、また布団に潜り込む。
「ダメだよ、英二、分からないなら今すぐ家でて、小宮山さんが来る前に登校出来るように」
そう無茶振りする不二に、ガバッと起き上がると、はあ~?何でオレがー?って不満の声を上げる。
確かに小宮山、今日大変だろうけどさ、不二が何とかすればいーじゃん!そう頬を膨らませる。
そりゃ、小宮山が嫌がらせされるようになったのはオレが元凶なのは分かってるけどさ……
だからってなんかしてやる気にもなんなくて、それは一晩寝ても回復しない小宮山へのイライラのせいで、そんなイライラに自分でも戸惑いを覚える。
「もちろんそうするけど、それには英二の協力が必要なんだよ」
マジかよーって頭をかいて、でもいくら何でも早すぎだろーって思って、そう言や一度小宮山と昇降口で一緒になったことあったなーって思いだす。
「あの屋上に不二が小宮山と来たときって何時だっけ~?」
え?って聞き返す不二に、あん時は小宮山、そのちょっと前に来てたー、そう言うと、ふーん……そう言って不二は少し考えたあと、それじゃあ……そう徐に口を開いた。