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【テニプリ】闇菊【R18】

第31章 【シンユウ】




「どう、して……?」


そう声を振りしぼる私に、だって璃音の癖に生意気なんだもん、そうナオちゃんはにっこりと笑って答えた。


「璃音の癖に私より男子から人気があって、璃音の癖に私より成績だって良くて、しかも璃音の癖にあの香月くんと付き合っているなんて」


こんな生意気な話、ないじゃない!そう言ってナオちゃんは私の顔をギロリと鋭い目で睨みつけた。


そのナオちゃんの顔にゾクッと身体に冷や汗をかいた。
目の前の現実を受け入れたくなくて、頭の中でそれを否定した。


だってナオちゃんは1人でいる私に声をかけてくれて、みんなと仲良くなれるよう気を配ってくれて、嫌がらせを受ける私をみんなから庇ってくれて……


お願い、嘘だって言って、冗談だよっていつもの優しい笑顔で笑って、そう必死に願った。


「だからあれほど言ったじゃない、璃音は妬まれてるんだって……」


必死に願う私の耳に聞こえてきたのは、そう言って私をあざ笑うナオちゃんの言葉だった。


どうして……?
今までのこと、全部嘘だったの……?
私のこと、親友だって言ってくれたのは何だったの……?


信じられなくて、信じたくなくて、震える身体をギュッと抱きしめて、下唇を噛みながらそれに耐えた。


「ついでに言うとね、最初に璃音に話しかけたのだって、ボッチに優しくすれば私の印象が良くなるからだから」


そんな震える私に、ナオちゃんは絶望的な言葉を浴びせると、何故か生徒会室のドアを開け放ち、それから私の元に歩み寄りながら、見る?そう言って携帯を目の前に差し出した。


恐る恐る覗いたそこには、他の女子達と一緒になって私のことをバカにする、LINEのグループチャットが映し出されていた。


……現実なんだね……
全部、最初から嘘だったんだね……


その瞬間、堪えきれなくなった涙が次々とこぼれ落ちた。

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