• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊【R18】

第31章 【シンユウ】




「小宮山さんは真面目な生徒だし、もちろん先生たちも君を信じたいと思う。一番怪しいのはこんな手紙を残した人物なんだから。


だが生徒会室のパソコンからハッキングされて、それを使うことが出来たのは執行部の生徒という事は紛れもない事実なんだ」


そう言う先生方の言葉がどこか遠くの方で聞こえていた。


とりあえず日頃の行いのせいか、その場からは解放してもらえたけれど、教室に戻った私はみんなからの冷ややかな視線に出迎えられた。


私が犯人だとみんなが噂していて、こういう噂ってあっという間に広がるんだな、そう泣きそうになりながら黙って自分の席に座ると、璃音のはずないでしょ!そうナオちゃんが大きい声で叫んでくれた。


だけどそんなナオちゃんの訴えも意味がなくて、その日を境に私への嫌がらせは一段と激しくなっていった。


人という物は恐ろしいもので、「ハッキングした容疑者」ともなると、イジメをするのに十分すぎる口実になるらしかった。


毎日、大量に送り込まれるLINEやメールでの暴言や、すれ違いざまに振るわれる軽い暴力と笑い声。
クサイ、キモイ、そんなセリフも日常茶飯事になった。


女子だけでなく、今まで私のことを好意的に見ていた男子達も、そんな嫌がらせを受ける私を楽しそうに見るようになっていた。
そのうち、女子達に手を貸す男子まで現れるようになって、本当、いい加減なものだなって思った。


「こうなったら香月くんにビシッと言ってもらおうよ!」


そう鼻息を荒くするナオちゃんに、笑顔で首を振った。
どんなイジメを受けてもナオちゃんと香月くんがいたから、いつも笑顔でいることができた。
だけどハッキングの罪を被せようとするくらい、私のことを嫌っている人がいるのかと思うと、その笑顔とは裏腹に気持ちの方はどんどん沈んでいった。


そんな中、問題を作り直すために数日遅れで行われた期末考査は、やっぱり精神的なダメージが大きすぎて、今までにないほど酷い点数をとってしまった。


順位ががた落ちした私の結果に、テスト問題盗むのに失敗したから、なんてみんな噂してクスクス笑った。

/ 1433ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp