第24章 【ネコトイヌ】
「こらー、英二ー!!」
ほえっ!?、そうねーちゃんの起こす声で慌てて目を覚ます。
寝ぼけ眼で見上げると、下のねーちゃんがタオルケットを引っ剥がしながら、すげー怖い顔でオレを見下ろしているのが見えた。
慌てて枕元の携帯を確認と、アラームをセットした時間はとっくに過ぎている。
何だよこれ、なんで鳴らないんだよ~!そう文句を言いながら起き上がると、何度も鳴ってたわよ!ってねーちゃんが呆れ顔で言う。
「やべっ!朝練!!」
「は?あんた寝ぼけてんの?朝練って今は部活やってないでしょ!?」
「ちがーう!今日まで体育祭の朝練なんだって!!」
昨日も寝坊して遅刻しちゃったし、今日はちゃんと行こうって思ってたのに、起きてみたらやっぱり寝坊でこれじゃなおさら大遅刻。
昨日もなんだかんだと止めらんなくて、夜遅くまでネトゲしちゃったもんなー……
だいたい、初日に小宮山にあんな風に言っといて、結局そん時だけって、オレらしいっちゃオレらしいけど、小宮山は律儀に昨日も今日も、朝早く来てひとり倉庫で待ったんだろーな、なんて思って苦笑いした。
それから急いでベッドから飛び出すと、クローゼットから制服を取り出して、パジャマを脱ぎ捨てパパッと着替え始める。
「見ないでっ、ねーちゃんのエッチ!」
そんなオレを呆れ顔で眺めるねーちゃんに、そう背中をむけてニヤリと笑うと、バッカじゃないの!そうねーちゃんは慌てて部屋から飛び出して、バタンと勢いよくドアを閉める。
顔を赤くして飛び出していったねーちゃんに、冗談なのにー、そうペロッと舌を出して笑った。